眼瞼下垂とは簡単に言えば、まぶたが開きにくい状態の目のことです。まぶたを開けるには、眼瞼挙筋という筋肉が縮み、挙筋腱膜が引っ張られることが必要です。
主に下記の2つに分けられます。
多く見受けられるのは、後天性眼瞼下垂症のひとつである腱膜性眼瞼下垂症です。これは、コンタクト装用者や目を擦ることが多い人に発生しやすいと言われています。挙筋腱膜は目をひっくり返すと見ることのできる瞼板(けんばん)に付いているのですが、この付着部分がゆるむことで挙筋腱膜が引っ張られてもまぶたが上に上がりづらくなるというわけです。
片目にも両目にもこのことが起こりえます。加齢に伴う場合、目の外側の皮膚が垂れ下がり、三角眼を呈するようになります。
また、一重の人は二重の方に比べると黒目の見え方が悪く、一見眼瞼下垂のように見えることがあります。
眼瞼下垂の症状によって、治療方法が違います。
※当院の眼瞼下垂手術では、術後の腫れが少なくなるよう、特殊な電気メスを使用して行っています。
全切開法を併用し、必要に応じて余った皮膚を切除します。眼窩隔膜から眼瞼挙筋腱膜を前方へ引き出し、瞼板の上部に縫合糸にて逢着します。
眉毛下に併せて余った皮膚を切除し縫合します。睫毛付近の皮膚を切除しないので、目の雰囲気を大きく変化させることがありません。
術前
術後(7ヶ月)
治療名 | 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転術) |
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治療内容 | 右目が強い眼瞼下垂を起こしています。全切開法に準じて切開した後、眼窩隔膜内に入り、挙筋腱膜を剥離、前転させ瞼板に挙筋腱膜を固定しています。 |
リスク | 術後は腫れや内出血、傷の赤み、左右差が生じる可能性があります。 |
費用 | 440,000円 2024年9月現在 |
術前
術後(4ヶ月)
治療名 | 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転術)+眼窩脂肪移動術 |
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治療内容 | 長期にハードコンタクトを使用していた方に見られる眼瞼下垂の症状です。眼瞼下垂でくぼみ目があるので、奥に引き込まれた脂肪を引き出して元の位置に戻すことを第一に考えて手術を行いました。 |
リスク | 術後は腫れや内出血、傷の赤み、左右差が生じる可能性があります。 |
費用 | 440,000円+110,000円 2024年9月現在 |
術前
術後(2ヶ月)
治療名 | 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転術) |
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治療内容 | コンタクトレンズによる眼瞼下垂症の患者様です。所見は黒目がかぶってくるほか、上眼瞼のくぼみや、菲薄化、そして眉毛の挙上が認められます。全切開して挙筋腱膜を検索すると瞼板という軟骨から外れているのが明瞭です。よく剥離した後、腱膜を前方に移動させて瞼板に固定していきます。術後の経過とともに目の雰囲気が以前のようになり、視野が大変広くなったと実感できます。 |
リスク | 術後は腫れや内出血、傷の赤み、左右差が生じる可能性があります |
費用 | 440,000円 2024年9月現在 |
術前
術後(3ヶ月)
治療名 | 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転術) |
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治療内容 | 長年のハードコンタクト装用者に出現することが多いと言われている腱膜性の眼瞼下垂症は、まぶたのくぼみと下垂したまぶたを額で上げることによる緊張が特徴的です。眼科クリニックから紹介され来院した患者様です。所見は、見事に挙筋腱膜が瞼板からはずれており、ミューラー筋と結膜を通して眼球が透けて見えるくらいでした。腱膜を瞼板に前転固定し、持ち上がってしまった眼窩脂肪を剥離して戻し、まぶたのくぼみも修復しました。経過は順調です。視野も広くなったと喜ばれておりました。 |
リスク | 術後は腫れや内出血、傷の赤み、左右差が生じる可能性があります |
費用 | 440,000円 2024年9月現在 |
術前
術後(3ヶ月)
治療名 | 眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転術) |
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治療内容 | 頭痛、肩こり等の症状があり、ハードコンタクトレンズ長期装用者です。診察したところ明らかな腱膜性の眼瞼下垂で、瞼板から腱膜がはずれていました。挙筋腱膜前転術を行い、上眼瞼のくぼみを軽減するよう眼窩脂肪も剥離して前方に引き出し固定を行いました。 |
リスク | 術後は腫れや内出血、傷の赤み、左右差が生じる可能性があります |
費用 | 440,000円 2024年9月現在 |
術前
術後(10ヶ月)
治療名 | 眼瞼下垂手術( 眉毛下皮膚切除術) |
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治療内容 | 加齢現象で視野に支障をきたすくらい外側の皮膚が下がり、三角眼を呈して目が開けづらくなっていました。眉毛下の皮膚は厚く、重いため皮膚を取り去ることで視野も広がります。開眼も良好で、キズも眉毛に隠れてより目立たなくなりました。 |
リスク | 術後は腫れや内出血、傷の赤みが生じる可能性があります。 |
費用 | 420,000円 2024年9月現在 |
医師によるカウンセリングを行います。ご不明なことや不安などがありましたら、お気軽にご質問ください。カウンセリングの際は、患者様のご希望や治療を行う部位の状態に合わせ、治療方針、治療方法、リスク、麻酔方法など、医師が詳しく説明します。当院の治療は、双方合意のもとで行います。患者様がご納得されていないのに、治療を無理強いするようなことは一切ありませんのでご安心ください。
シミュレーションを行い術後の結果を予測していきます。手術後の結果を予測するには設計図(手術のデザイン)が極めて大事です。そのため坐位にて、目の左右差、まぶたの厚さ、皮膚の切除量等をチェックしていきます。希望のラインの高さと、黒目をどのくらい見せるかをシミュレーションします。
まぶたにデザインをし、局所麻酔を行います。眼科用の極細針にて注射をしていきます。
(1)腱膜性眼瞼下垂の場合―眼瞼挙筋腱膜前転術
(2)加齢性眼瞼下垂の場合―眉毛下皮膚切除術
(1)眼瞼挙筋腱膜前転術の手術後経過
手術後5~7日は縫合糸がまぶたについています。術後3日目がむくみや腫れのピークとなります。目が開けづらいこともあります。この間は人に会いづらいでしょう。抜糸は5~7日目に行います。メイクをして対面的に問題ないと思われる日にちは術後約10日前後を見ておくといいでしょう。切開線からまつ毛にかけてのむくみはしばらく続くため、予定のラインより高めに感じるかもしれません。1~3ヶ月で徐々にナチュラルになり変化しなくなっていきます。この間、切開線は人によっては赤みが生じることがありますが、メイクでカバーできる程度の赤みです。
(2)眉毛下皮膚切除術の手術後経過
眉毛下で切除するため、むくみ、腫れは最小限に収まる傾向があります。抜糸は7日目に行います。抜糸後より眉を描いていただければ手術跡もカバーできるでしょう。
治療後の通院や診察が必要な場合、医師の指示に従ってアフターケアを行ってください。術後の腫れや経過などについて、不安なことやご不明点などがありましたら、お気軽にご相談ください。
治療時間 | 120分 |
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ダウンタイム (痛み・傷跡) |
腫れや内出血は2週間程度 ※個人差があります |
通院回数 | 3回 抜糸、経過観察として1ヶ月後、3ヶ月後 |
抜糸の時期 | 7日目 |
洗顔・メイク | 目もと以外翌日から可能、目もとの洗顔は3日後~ アイメイクは抜糸翌日から医師の指示で可能 |
シャワー・入浴 | シャワーは当日可能、入浴は翌日から可能 |
コンタクト | 抜糸後より可能 |
単に一重や皮膚が重いために目が開けづらいのか、それとも腱膜性の眼瞼下垂なのかは、眼瞼下垂手術に関わっている形成外科専門医であれば診断が可能だと思います。
挙筋腱膜前転術を行う際には、即決しないでいくつかのクリニックの診察を受けて判断することが大事だと思います。これらの手術は開瞼機能を修復するという技術の他に、見た目としての結果が重要視されますので、不慣れな術者は一人で行わないで欲しいと考えています。
過去に「いったい何の手術を行ったの?」という不幸な結果になっている方の修正治療を何人か行いました。眼瞼下垂ではないかと診察希望をしたところ、実は眼瞼下垂なのに違うと言われ、ヒアルロン酸を上眼瞼に注入されてしまい余計に重くなってしまったという方や、逆に眼瞼下垂ではないのに、あなたは眼瞼下垂だから自費の手術の方がいいとすすめられ、不必要な挙筋腱膜前転術を行ったうえに、高額な治療費を支払いびっくりして来院された方もいます。
眼科医、形成外科医、美容外科医のだれでも行える手術ではないので、セカンド、サードオピニオンまで求めるつもりで診察を受けましょう。
この方法は、全切開法を併用するため、二重のラインが取れてしまうということはほとんどありません。まぶたを引き上げる腱膜を短くするため、目の開けやすさを感じます。このことにより目から来る頭痛や肩こりも軽減するともいわれています。
術後1ヶ月くらいで黒目の割合が増してきます。術後1ヶ月~3ヶ月は左右差が生じやすい時期です。私たちの体は微妙にこの左右差を知らず知らずに修正していきますが、術後3~6ヶ月でも明らかな左右差がある場合には、挙筋腱膜の短縮を調整する修正手術が必要となる場合があります。手術部位が落ち着く前である術後3ヶ月以内の修正術は原則として行いません。
なんと言ってもまぶたを大きく切除しないためダウンタイムが少なくすみます。また大きくまぶたの印象を変えることがありません。しかし、眉毛下の皮膚を切除すると術前よりやや眉の位置が下降します。このことにより眉を描く位置をずらすと、手術跡が見えてくることがあります。また、挙筋腱膜はこの方法では原則的に修正できないので、腱膜性眼瞼下垂症ではこの手術方法を選択することができません。
A 最近学会の発表でも眉毛下皮膚切除術の症例を見る機会が増えましたが、適応外の手術であったり、デザインがいびつであったり、そもそも縫合技術が伴っていない症例も見かけます。そのような症例を見てしまうと眉毛下皮膚切除術がよくないのでは?と思ってしまう人もいるかもしれません。丁寧に縫合すれば、眉毛下の傷はほとんど分からなくなります。縫合の方法はちょっとしたコツが必要です。
A 「見た目の眼瞼下垂」と「機能的な眼瞼下垂」があります。見た目の眼瞼下垂は、ほとんどが一重の方に当てはまります。この場合、埋没法や簡単な全切開で二重にすることで黒目の見え方が良くなり、挙筋腱膜を短縮する必要はありません。機能的な眼瞼下垂の場合、挙筋腱膜前転術を考慮に入れる必要が出てきます。正しく診断され、正しい方法で手術を受けることが大事です。不必要な手術は目的がない限り行わないほうがよいでしょう。
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