ワキガは汗腺であるアポクリン汗腺が原因です。アポクリン汗腺はワキ、乳輪周囲、陰部、へそなどに存在しています。ワキガは遺伝的要素が強く、以下のようなチェックポイントが診断に有効です。
治療は、様々な方法が考案されていますが、確実にアポクリン腺を術者が確認して取り去る「組織剪除法」が確実です。手術時間は比較的要しますので、「30分で両側が治療可能である」という方法は、不十分に終わり再発の可能性が高くなるので、術式には注意が必要でしょう。
ワキガ臭の強い人はアポクリン汗腺が多い体質の方が多く、医師が直視して除去します。組織剪除法は片側約60分必要です。また約7日間の固定が必要なため、私の場合片側ずつ手術を行っています。無理に動かされると術後の経過が長引くため、手術される日取りが重要になります。
組織剪除法は、直にアポクリン腺を確認し除去する方法のため、改善率は高い手術です。改善率は100%ではありません。70~80%が目安で、他人に迷惑をかけることは無い結果となります。この手術において無理をすると、皮膚のダメージが生じることがあります。
吸引法やシェーバー法という方法は組織剪除法に比べると、改善率は低くなります。ニオイは目に見えるものでは無いために、よだ形成外科クリニックでは確実性が高い組織剪除法をあえて行っています。術後の結果を良いものにするために、ダウンタイム中は患部の腕を使わないようにすることが求められます。
術後(3ヶ月 )
治療名 | 腋臭症手術(組織剪除法) |
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治療内容 | 皮膚切開は約3㎝ちょっとの1本線で行っています。赤みや色素沈着に対し、ハイドロキノンなどの軟膏のケアを指導します。 |
リスク | 3ヶ月ほど赤みが出現し、皮膚の剥離範囲に色素沈着を来すことがあります。 |
費用 | 450,000円 2011年3月現在 |
術前(デザイン)
治療名 | 腋臭症手術(組織剪除法) |
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治療内容 | 直接汗腺を見ながら皮膚から取り去る組織剪除法を行ないました。正しく皮下を剥離して皮膚を翻転させる技術、術者として術後を管理する体制が必要です。 |
リスク | 3ヶ月ほど赤みが出現し、皮膚の剥離範囲に色素沈着を来すことがあります。 |
費用 | 450,000円 2010年10月現在 |
医師によるカウンセリングを行います。ご不明なことや不安などがありましたら、お気軽にご質問ください。カウンセリングの際は、患者様のご希望や治療を行う部位の状態に合わせ、治療方針、治療方法、リスク、麻酔方法など、医師が詳しく説明します。当院の治療は、双方合意のもとで行います。患者様がご納得されていないのに、治療を無理強いするようなことは一切ありませんのでご安心ください。
ワキガかどうかは下記の3つのポイントをチェックします。
・汗染みが黄色くなる
・耳垢が湿っている
・家族にワキガであると思われる人がいる
「ニオイを指摘された」というケースは腋臭症ではない場合もあるので、参考事項にはいたしますが、実際ワキガの方は、診察室に入ると分かるものです。
局所麻酔で行います。
手術は、組織剪除法で行っています。
以上の流れで片側1時間の手術時間を要します。腕の使用制限が生じるため、期間を空けて左右のワキの手術を行っています。学生の場合などは、右側を春休み、左側を夏休みにと分けて行うこともしています。
手術後の合併症として皮下出血が問題となりますので、このリスクを少なくするために、片側ずつの手術を行い、局所安静を指示しています。皮下出血が起こりますと、ワキに鈍痛が継続します。この場合、ワキの皮膚の温存をはかるために、早期に傷の縫合を外し、洗浄し出血点を止める必要があります。生命の問題はありません。
通常は3日目にタイオーバー(圧迫のガーゼ)固定を解除し7日目にチェック、10日目に抜糸を行います。約1ヶ月は、ワキの皮膚の固さが生じやすく、その後約3ヶ月は色素沈着が生じやすくなります。少しずつ解消しますが、回復の程度に併せて、指導や後療法を行っています。ワキの毛は減少をいたします。
手術跡は目立ちにくくなるのですが、経過を見て6ヶ月から1年後に傷跡の修正を希望に応じて行っています。
治療後の通院や診察が必要な場合、医師の指示に従ってアフターケアを行ってください。術後の腫れや経過などについて、不安なことやご不明点などがありましたら、お気軽にご相談ください。
治療時間 | 90分 |
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ダウンタイム (痛み・傷跡) |
1ヶ月 |
通院回数 | 3日目(圧迫固定を外す)、7日目(検診)、10日目(抜糸)、経過観察 |
抜糸の時期 | 10日目 |
シャワー・入浴 | シャワーは翌日より可能ですが、包帯固定した患部を濡らさないようします。 入浴は抜糸後より可能。 |
「特殊な○○法でワキガの手術を短時間で行っています」などと謳い、高額な治療費を請求するクリニックも実際にはありますので注意が必要です。アポクリン腺を除去するのに色々な手術方法が提唱されていますが、それぞれにメリット、デメリットがあります。
当院では、直接汗腺を見ながら皮膚から取り去る組織剪除法をおすすめしています。ワキガの方のアポクリン腺はザクロのように赤みを帯びておりしかも皮膚の裏側にしっかりとくっついています。ですから、吸引法のように皮膚の裏側を直接見ずにブラインドで行う手術方法は、確実性に劣るため、私の場合おすすめしておりません。
当院で行っている組織剪除法は、正しく皮下を剥離して皮膚を翻転させる技術、術者として術後を管理する体制が必要ですし、患者さんとしても切開した傷跡が多かれ少なかれ残ることとダウンタイムがあることが問題でしょう。
A 固定をしている間は控えていただきます。万が一、腕を大きく動かすなどした際に、傷が開き出血する可能性があります。
A 一時的に色素沈着を起こすことがありますが、改善します。傷跡についても3cm程度の1本線ですが、気になる場合は傷跡修正をすることも可能ですのでご相談ください。
A 抜糸まで重たい荷物を持たない、腕を大きく上にあげないなど運動制限がございます。1週間~10日程度のお休みがあれば安心かと思います。また、上着が必要な季節であれば包帯が外から見られることはないでしょう。
アクセス
宮城県仙台市青葉区花京院1-1-6
Ever-i仙台駅前 2F