まずは、圧迫止血をしてください。清潔なガーゼや布で抑えてください。ティッシュで抑えるのは、傷口にティッシュがつくのでやめてください。カッターなどで皮膚の一部を削いでしまったら、その削いだ皮膚を濡れたガーゼに包んで持参してください。くれぐれも捨てないようにしてください。救急外来で縫合や処置を受けたら、必ず翌日に形成外科を受診してください。専門的にチェックをし、場合によっては再縫合を行います。特に顔の場合には必ず形成外科を受診してください。必要以上に太い縫合糸で縫合されると、「糸傷」が残ります。
外傷後の傷跡を少しでもきれいに仕上げるためには、最初が極めて肝心です。愛護的に傷を扱い、なるべく元の位置に縫合することです。外傷は一般の手術と異なり、計画的に切開したものではないため、傷跡の修正を念頭に置き、組織を残すことが重要です。デブリードマンといい、傷の創縁を取り去り縫合することは、私の場合極力行いません。それは、外傷の傷をきれいにするのは限界があるからです。なるべく元の位置に戻し、その傷が十分治ってから修正をした方が結果がよいからです。そのため十分に組織を残すことが大事です。傷跡の修正は、傷が落ち着く最低3ヶ月をあけてから検討をしていきます。
外傷後の傷跡、あるいは手術を受けた手術跡が目立つ。そんな悩みに対応できるのが形成外科医です。特殊な形成外科的縫合法で傷跡をより目立ちにくくしていきます。
傷跡や手術跡を修正するのは、ある程度の時間を待ってから行います。一般に、怪我の傷でも、手術の手術跡でも約3ヶ月は赤みが生じ変化をしていく時期です。この時期はテーピングなどで、少しでも傷跡がきれいになるようケアしていくのが大事である時期です。この時期が過ぎるとほぼ傷が成熟して、傷跡として固定をしていきます。この期間の間に修正手術を行っても、やはり手術後の約3ヶ月は変化をしていくため、通常は修正手術を行いません。長くおければおくほど傷跡はより成熟して、柔らかく、変化しなくなります、できれば、外傷や手術を行ったその後の期間が長いほど修正手術は行いやすく、結果も良くなります。修正の最短時期は外傷や手術の約3ヶ月後だと考えて下さい。
傷跡の修正は、形成外科医が得意とする治療の一つです。仕上がりもキレイに行いますので安心してご相談ください。傷跡の修正術は、残念ながら形成外科や美容外科の技術で行っても消しゴムで消したようには出来ません。形成外科的技術で、傷の幅を狭くし、凹凸を軽減してより目立ちにくくしていくことで修正を行います。カッターなどによる自傷痕のように元々傷の幅が狭い傷跡を消し去るのは困難な場合があります。
術前
術後(2年5ヶ月)
治療名 | 傷跡修正(①瘢痕形成術 ②炭酸ガスメソ注入) |
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治療内容 | アームカット・リストカット後の傷直しです。局所麻酔下で瘢痕を切除し、真皮縫合を行い、極細の7-0~8-0ナイロン糸で丁寧に皮膚縫合。傷治ししても縫合した傷はすぐにはきれいにはなりませんので、後療法として平になるようテーピングをし、場合によっては創傷治癒を促進するためにロングパルスヤグレーザーを照射します。術後は、3ヶ月ほど赤みを生じ、6ヶ月くらいまで盛り上がり感を感じますが、その時期を過ぎれば徐々になじんでいきます。今回は、術後に炭酸ガスメソで瘢痕に浅く圧をかけガスを注入。傷の創傷治癒の促進も行いました。 |
リスク | 傷の場所、個人の体汁によっては肥厚性瘢痕、ケロイドを生じることがあります。傷は全くなくなるわけではありません。炭酸ガスメソは創傷治癒を促進しますが、傷が全くなくなるわけではありません。 |
費用 | 瘢痕形成術:1㎝あたり 55,000円~110,000円(税込) 炭酸ガスメソ(現在は治療を行っておりません) |
術前
術後(1年5ヶ月)
治療名 | 傷跡修正(Z形成術) |
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治療内容 | オトガイ部の傷は動く場所なので肥厚性瘢痕という盛り上がった傷になりやすい所です。傷の向きを変えることで肥厚性瘢痕になりにくくなる効能を期待して、小さなZ形成術を入れて修正を行いました。局所麻酔下で瘢痕を切除し、真皮縫合を行い、極細の7-0~8-0ナイロン糸で丁寧に皮膚縫合。術後は、3ヶ月ほど赤みを生じ、6ヶ月くらいまで盛り上がり感を感じますが、その時期を過ぎれば徐々になじんでいきます。 |
リスク | 傷の場所、個人の体汁によっては肥厚性瘢痕、ケロイドを生じることがあります。傷は全くなくなるわけではありません。炭酸ガスメソは創傷治癒を促進しますが、傷が全くなくなるわけではありません。 |
費用 | 瘢痕形成術:2.5㎝ 192,500円(税込) |
医師によるカウンセリングを行います。ご不明なことや不安などがありましたら、お気軽にご質問ください。カウンセリングの際は、患者様のご希望や治療を行う部位の状態に合わせ、治療方針、治療方法、リスク、麻酔方法など、医師が詳しく説明します。当院の治療は、双方合意のもとで行います。患者様がご納得されていないのに、治療を無理強いするようなことは一切ありませんのでご安心ください。
怪我、傷、傷跡の状態を診察します。
局所麻酔にて行います。
傷跡の周囲を計画的に切開し切除します。傷跡が少しでも狭くなるよう形成外科的縫合で真皮を縫い寄せます。傷の方向が悪い場合には、Z形成術などの技術を利用して、皮膚割線に近づくよう縫合線を変化させます。表皮は場合によっては拡大鏡を使用して、凹凸のないよう、美容外科用の細い糸で縫合をしていきます。
抜糸は5~7日後に行います。手術跡は約3ヶ月赤くなり変化をするのでこの期間は少しでも手術跡がきれいになるようにテーピングを指導します。その後は傷跡が柔らかくなり時間と共に目立ちにくくなってきます。
治療後の通院や診察が必要な場合、医師の指示に従ってアフターケアを行ってください。術後の腫れや経過などについて、不安なことやご不明点などがありましたら、お気軽にご相談ください。
治療時間 | 10分~60分程度 |
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ダウンタイム (痛み・傷跡) |
抜糸後、3ヶ月間赤みと瘢痕のケア。 |
通院回数 | 抜糸 |
抜糸の時期 | 抜糸7日後、1ヶ月後、3ヶ月後、6カ月後、1年後経過観察 |
洗顔・メイク | 患部以外は当日から、傷口は抜糸翌日から可能 |
シャワー・入浴 | シャワーは患部を濡らさないようにして当日より可能。 入浴は抜糸翌日から可能。 |
コンタクト | 当日から可能 |
傷の治療は、残念ながら完全にもとに戻すことはできませんが形成外科の手術手法を使用して、目立ちにくくすることを工夫しております。まずは気になる部位を診察させて下さい。
施術内容 | 数量・容量・範囲など | 税込価格 | YD-APS税込価格 >> YD-APSとは? |
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醜状痕修正 (傷跡を切除し丁寧に縫合する) |
1㎝あたり(2㎝以内) | ¥110,000 | ¥88,000 |
1㎝あたり(2.1㎝~6㎝以内) | ¥77,000 | ¥61,600 | |
1㎝あたり(6.1㎝以上) | ¥55,000 | ¥44,000 | |
醜状痕皮弁形成術(キズ治し) | 1㎝×1㎝あたり | ¥110,000 | ¥88,000 |
※当院の金額は全て税込価格となります。
アクセス
宮城県仙台市青葉区花京院1-1-6
Ever-i仙台駅前 2F