自分の脂肪をお顔に注入することでふっくらと若返らせます。自分の組織である脂肪を不足しているボリュームに補う方法は、異物組織を使わないため安全性に優れている方法です。
しかし、一度、体から取り出した組織を自分の体とはいえ別の部位に移植するということは、実はそんなに簡単な方法ではありません。確かな方法で正しい技術を持って行えば、脂肪細胞は生着し、安定をします。
しかしながら、乳房を増大するといった、大量の脂肪を注入することは事実上生着させるには不可能であるばかりか、しこりや膿を併発するおそれがあるため、適応を見極めて行うことが重要です。
脂肪注入は自分の組織であるから安全であるというフレーズで、何でもかんでも脂肪注入をすすめるケースもあるようですが、その説明には補足が必要です。採取した自己脂肪を注入してもその脂肪細胞に血流が再生されなくては自分の脂肪であっても「異物」となってしまいます。
この治療は異物を使わず、自分の組織を利用するという点で安全度が高いということです。また、脂肪ですから、脂肪が必要な部位に注入をすれば、脂肪が増すわけですから解剖学的にも安定しています。しかしながら、脂肪を生着させるにはノウハウが必要な治療であるため、治療技術はもちろん、どのくらい医師が患者さんにフォローをしていけるかということが重要です。
注入された脂肪は吸収される割合があるため、複数の治療を見込む必要があります。吸収されるからといって過剰に脂肪注入することは通常行われません。
注意が必要なのは、大量の脂肪を乳房に注入することです。「幹細胞なるものを注入するので安全、生着率もいい」という広告を見受けますが、幹細胞の抽出はそれなりの施設でなくては出来ないレベルです。通常のクリニックで本当に可能なのでしょうか?注意が必要です。
今後は乳房における脂肪注入術はレベルが上がることが期待されていますが少なくとも脂肪吸引で吸引した脂肪をそのまま乳房に注入するという方法がいかに危険であるかは認識するべきです。
術前
術後(7日目 )
治療名 | 頬部への脂肪注入 |
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治療内容 | 太ももの内側から脂肪吸引でなく、脂肪注入用に丁寧に脂肪を約30cc採取し、それをきれいにセッティングし、頬部に片側約7ccの脂肪を注入しました。注入は一気に注入するのではなく、細かく、少しずつ深さを変えて注入していきました。 |
リスク | 注入直後の腫れ、赤み、内出血が見られることがあります。 |
費用 | 300,000円(5cm×2) 2010年11月現在 |
医師によるカウンセリングを行います。ご不明なことや不安などがありましたら、お気軽にご質問ください。カウンセリングの際は、患者様のご希望や治療を行う部位の状態に合わせ、治療方針、治療方法、リスク、麻酔方法など、医師が詳しく説明します。当院の治療は、双方合意のもとで行います。患者様がご納得されていないのに、治療を無理強いするようなことは一切ありませんのでご安心ください。
凹みの程度を診察し、坐位にてマーキングを行います。等高線のようなマーキングを施し、注入量や注入部位を明確にしていきます。脂肪採取予定場所の脂肪の沈着の程度をチェックします。
通常局所麻酔にて行います。脂肪を採取する場所は、太ももの内側や二の腕から採取します。脂肪吸引の様に大量に脂肪を取らないので、採取場所も局所麻酔にて行えます。
まず、脂肪採取部位を麻酔し、脂肪を脂肪採取用に作られた吸引管にて採取していきます。脂肪注入用の脂肪採取は1回あたり20ccくらいが標準でありますが、脂肪細胞自体を破壊してはその脂肪をその後注入しても生着はしません。よって、吸引の圧力の調整や採取する技術が求められます。
次に採取した脂肪の性質(個人差)を見極めて、必要があれば遠心分離をかけて脂肪の密度を高めます。そして、注入用のシリンジに脂肪を充填させていきます。
注入する部位を麻酔し、シリンジに注入用の針を装着し、脂肪を注入していきます。この際、脂肪細胞を壊さないよう丁寧に注入することが求められます。脂肪を採取した部位の圧迫固定をし、脂肪注入部位を丁寧にほぐしドレッシングをします。
脂肪注入は注入したら終わりではありません。その後、少しでも生着率を上げるために注入部位の固定や冷却をしていきます。
注入部位、採取部位に内出血を来すことがありますが一般的に、10日くらいで解消していきます。
注入された脂肪は条件が良ければ、30~40%の生着が見込まれます。ということは、注入された脂肪は吸収されていくものがあるということです。術後3ヶ月くらいで脂肪細胞は安定しますので、3ヶ月以上経過をみて、何度か脂肪注入術を受けられると生着していく脂肪が多くなっていきます。
治療後の通院や診察が必要な場合、医師の指示に従ってアフターケアを行ってください。術後の腫れや経過などについて、不安なことやご不明点などがありましたら、お気軽にご相談ください。
治療時間 | 60~120分(場所や量によって異なる) |
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ダウンタイム (痛み・傷跡) |
テーピング 5日 採取部のサポーター7日 腫れや内出血7~10日 |
通院回数 | 2~3回 治療日と経過観察 |
抜糸の時期 | 採取部の抜糸 7日目 |
洗顔・メイク | 洗顔、メイクは翌日から可能 |
シャワー・入浴 | シャワーは当日より可能(採取部を除く) 入浴は抜糸後より可能 |
顔面は血行が良好なため脂肪注入は良い適応といえます。それに対して乳房への脂肪注入は議論が盛んになってきた昨今ですが、基本的にはおすすめできません。それは、乳房を膨らませるのにはかなりの脂肪が必要であり、大量の脂肪が生着するのはあり得ないこと、生着しなかった脂肪はしこりになることがあり、そのしこりは乳癌検診の邪魔になり、乳癌の発見に支障を来すことがあるという理由です。他院で行われてきた乳房への脂肪注入後のトラブルケースをいくつも見てきました。あの不幸さを見ると、私は行えません。
施術内容 | 数量・容量・範囲など | 税込価格 | YD-APS税込価格 >> YD-APSとは? |
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頬のくぼみの改善 頬部 |
顔面:直径5cm範囲ごと | ¥200,000 | ¥170,000 |
その他の部位 ※豊胸には使用しない |
1ヶ所:直径5cm | ¥200,000 | - |
※当院の金額は全て税込価格となります。
A どちらもボリュームアップのために使用され、それぞれにメリットデメリットがあります。ヒアルロン酸は時間と共に吸収されていきますが、脂肪注入の場合一度生着した脂肪は吸収されません。
A 適応があれば、体の脂肪吸引での吸引しすぎたデコボコの補正や外傷後の脂肪壊死でのデコボコなどがあります。当院では豊胸目的の脂肪注入は行っていません。
A ヒアルロン酸分解注射のように注入した分だけ溶解させることは不可能ですが、脂肪溶解注射で、ある程度の脂肪を溶かすことは可能です。
アクセス
宮城県仙台市青葉区花京院1-1-6
Ever-i仙台駅前 2F