コラム
コラム - よだ形成外科クリニック【形成外科・美容外科・美容皮膚科 】
コラム
公開日:2021.10.1(金)
目の下の膨らみを気にされている患者さんから、
○ 疲れてもいないのに、「最近疲れているんじゃない?」と人から指摘されるようになった。
○ 鏡を見ると、確かに目の下がクマのように影が出ている。
○ 目の下がだんだんと膨らんできているようだ。
と言うような話をよく聞きます。
そのような患者様は、
指で下まぶたを引っ張ると平らになっていい感じだ。
とも話されます。
この指で緊張をかけた状態に戻すのにはどうしたらよいのかを説明していきたいと思います。
下まぶたの膨らみを解消する代表的な手術には以下の方法があげられます。
上記の方法には、それぞれ特徴やメリット、デメリットがあります。
今回は、私が力を入れて行っているハムラ法について説明していきたいと思います。
ハムラ法とはUSAのDr. Hamra STが1998年に発表された方法で眼窩脂肪という下まぶたの膨らみの正体である目袋の脂肪を取り去るのでなく眼窩脂肪を包んでいる眼窩隔膜と脂肪を下方に伸展して固定するという方法です。
この方法を元に、私も含めて様々な術者がアレンジをして手術を行っています。
私がハムラ法を推奨する理由の1つが、眼窩脂肪を単に取り去らないことです。
加齢現象とは組織の下垂とボリュームダウンが主な症状です。
ただでさえボリュームが減少するのに、この膨らんで出てきた目袋の脂肪を利用するというハムラ法の文献を読んで感激を覚えたことを今でも忘れていません。
また私は、裏ハムラ法より睫毛下で皮膚切開をし、眼輪筋下で眼窩下縁まで剥離。
眼窩隔膜を切開して脂肪と共に下方に緊張をかけ固定、そして眼輪筋に緊張をかけて固定し直し余剰皮膚を切除して縫合する。
という従来のハムラ法が下眼瞼の若返り、形態改善のために理にかなっていると考えています。
フェイスリフト手術のコラムでもお話しましたが、私たちの組織は皮膚-皮下脂肪-筋肉・筋膜-深い部分脂肪などの皮下組織-骨と層構造になっています。
その1つの層のみ対処しても総合的な形態的改善には欠けてしまいます。
つまり結膜側から深い脂肪である眼窩脂肪のみ減量したとしても、それを包んでいた眼窩隔膜、さらには筋肉や皮膚はボリュームが減量したことで緊張度が減少するので、皮膚のたるみの原因ともなり得るのです。
睫毛下切開から行うハムラ法は、
深部の脂肪を平にし、それを包んでいた眼窩隔膜も緊張をかけて固定。
さらに剥離展開した眼輪筋も緊張を与えて固定し、表面である皮膚も余剰皮膚を切除して固定します。
何層も再構築するという工程で手術を行うため形態の改善と手術効果の持続が期待できるのだと考えています。
もちろん人間が行う手術ですから、100%自分が想像したような結果とはならないにしても、理論どおり手術を展開してそして遂行していけば、少なくとも術前からの改善と効果の持続はかなりの割合で期待できます。
ただし、そのためには術者の手術手技がとても大事です。
下記に私が執刀した手術の実際を供覧します。
興味のある方はクリックしてご覧ください。
※刺激的な写真がありますので、苦手な方はお気をつけください。
眉毛側から下向きに見ています。
加齢により下垂とボリュームダウンすることはお話しましたね。
下眼瞼の目袋が解消すると眼窩縁(目玉を入れている骨の周囲)のボリューム不足が見えてくることがあります。ハムラ法の手術後6ヶ月以上経過した段階で必要に応じてヒアルロン酸などによる注入療法を行うとさらに下眼瞼の形態がよくなると思います。
実際の症例を見てみましょう。
治療名 | ハムラ法 |
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治療内容 | 眼瞼を切開し、下眼瞼縁に達し、膨らみの原因である眼窩脂肪を下方に伸展することで形態を滑らかにします。そして眼輪筋を外側に緊張をかけて固定することで、皮膚のハリを作ります。余剰な皮膚があったら、切開線に合わせて切除を行います。 |
リスク | 局所麻酔にて手術を行い、片側約45分必要です。抜糸は7日目、お化粧を行えば、7~10日でダウンタイムは十分でしょう |
費用 | 385,000円(税込) 2021年9月現在 |
ハムラ法は眼窩隔膜を眼窩下縁で切開し脂肪を平らにして隔膜で固定することが主題ですが、そこにいたるまでの手術デザイン、皮膚の切開や展開は術者によって異なるし技量も異なるところです。正しい手技を行える術者に任せることが大事です。
私は日本形成外科学会専門医と日本美容外科学会(JSAPS)専門医を取得して維持していますので、特にハムラ法に関しては学会発表も行っています。
ハムラ法だけでなく様々な美容外科手術に情熱をかけ、日々研鑽を行っています。
下眼瞼のお悩みがありましたら気楽にご相談ください。
よだ形成外科クリニック院長
依田 拓之 院長
心から信頼できる
美容外科医療を目指して。
・日本形成外科学会認定専門医
・日本美容外科学会(JSAPS)認定専門医