コラム
コラム - よだ形成外科クリニック【形成外科・美容外科・美容皮膚科 】
コラム
公開日:2022.06.30(木)
今回は私が取り組んでいる鼻翼縮小術についてお話をしていきたいと思います。
鼻翼は一般的には小鼻を指します。そのため鼻翼縮小術は、小鼻縮小術とも言われます。
カウンセリングに訪れた患者様から、小鼻が横に張り出した感を改善させたいという要望を多くいただきます。
ネットをみるといろいろな方法が説明されていますが、ここでは私が行っている鼻翼縮小術のポイントを読んでいただければ幸いです。
鼻翼縮小術は、小鼻があぐらをかいたようにバランス的に張り出している方におすすめの手術です。
また鼻の存在感をなくしたい、鼻の穴を見えにくくしたい時にも手術適応の場合があります。
理想の鼻の目安は、両側の目頭から線を引いてその間に小鼻があると良い。とされていますが、お顔の大きさやバランスなどを考慮する必要がありますので、最終的には適応かどうかは、私の診察が必要となります。
主に小鼻の組織を切除する方法、組織を切除せずに糸や皮弁などで引き寄せる方法と2つの方法をミックスした方法などがあります。
私が採用しているのは、小鼻の組織を切除して縫合する方法です。
組織を切除するということは物理的に大きさが変化するわけですから、形が変化すると考えています。
この方法では、鼻翼の一部を切除するのではなく、だるま落としのように外側から鼻腔内の組織を切除します。
下図は切除した鼻翼組織。外側と内側を含めて層で切除しています。
経験的に、組織を切除しない方法は効果が一時的です。
特に糸を使用して小鼻を引き寄せる方法では、小鼻が外側に拡がる筋肉の力が強いため、組織の内部で糸がずれていき、ほぼ元に戻るようになります。
鼻翼と頬部のくい込みを縫合のラインとして最大切除幅を5mm以内としてデザインします。picのように鼻腔の内側を含めて全層でくさび形のように切除します。
picの方は最大4mmで切除しています。
切除断端の頬側は筋肉の一部を切除し外側に拡がらないよう縫合糸で引き締めます。
くさび形に切除された断端を上-下と鼻腔側から縫合、外側の皮膚は傷がキレイになるように吸収糸で皮下縫合を行います。
この皮下縫合の技術度が、傷がキレイになるかの最大のポイントです。この皮下縫合は難度が高い技術です。
最後に皮膚を丁寧にナイロン糸で縫合します。
手術直後の状態です。
ただ単に組織を切除して皮膚のみ切除するレベルの手術では傷がキレイにならないばかりか術後の形をキープするのが難しくなることもあります。
また鼻翼の丸みがなくなるくらいの切除を行うと形態がおかしくなるだけでなく、修正はとても困難になるので、適度な切除量が求められます。
手術時間は局所麻酔手術で約90分です。
7日目に抜糸を行います。その間はそっとキズを含めて鼻を洗って頂き鼻腔内の縫合部と皮膚の縫合部に軟膏を塗っていただきます。
キズは10日目くらいからお化粧が可能です。
3ヶ月くらいは赤味を生じやすく、まれにキズから皮下縫合糸が露出することがあります。その時は都度処置を行えば問題ありません。
鼻という特性上、左右差が生じることもあります。
26歳の女性の方です。
小鼻の張り出しと鼻の穴を見えにくくしたいとの希望で鼻翼縮小術を希望されました。
切除量は最大4mmとしました。(上記のデザイン参照)
写真上段は、術前 術前右斜位 術前左斜位です。
写真下段は、4ヶ月目正面 4ヶ月目右斜位 4ヶ月目左斜位です。
縫合部にわずかな赤味がありますが、とても経過順調で傷と認識できないくらいです。
やはり縫合の技術が大事だと思います。
よだ形成外科クリニック院長
依田 拓之 院長
心から信頼できる
美容外科医療を目指して。
・日本形成外科学会認定専門医
・日本美容外科学会(JSAPS)認定専門医