コラム
コラム - よだ形成外科クリニック【形成外科・美容外科・美容皮膚科 】
コラム
公開日:2022.10.28(金)
マスク生活が長くなりましたが、最近ようやく外せる機会も増えてきました。
そのためでしょうか、当院でもマスクで普段隠れている部分の相談が増えてきています。
その中でも特に多いのは、「頬部や頚部をすっきりさせたいが、骨切りまではしたくない」というご希望です。
今回はそのようなお悩みの方に対して、どのようなアプローチや治療方法があるのかをお話します。
ここで注意しなくてはいけないのは、加齢に伴う下垂とボリュームダウンです。
加齢でマリオネットライン付近が膨らんでも、ゴルゴラインが凹んでいる例などは、「下垂が原因」ですので、脂肪吸引などでボリュームを下げてしまうと、小顔効果よりも輪郭に歪みが生じます。
そのため、ある程度年齢が進んだ方のボリュームダウンには注意が必要なのです。
次に、小顔効果が高い頬部とアゴ下の脂肪吸引について説明をしていきます。
脂肪吸引とは、まさに皮下の脂肪を吸引してボリュームを減らす方法です。
一見「脂肪を吸引すればいいのだから簡単な手術なんだ」と、患者さんだけでなく、これから脂肪吸引に取り組もうとしている医師でも感じるようです。
脂肪吸引はブラインド手術と言って、脂肪が実際取れている様子を視認できません。
解剖学的知識に基づき、3Dの感覚と手の感触で仕上げていくのが脂肪吸引手術です。
小顔に見せるのに有効な脂肪吸引場所について説明します。
まずは口角と耳垂を結んだラインより下部の頬部の脂肪です。
ここは面としてボリュームがあり、その下には骨がないので吸引効果が高く出ます。
次は下顎骨下、下を向いたときに突出する部位です。
二重アゴの改善と下顎骨のシルエットが脂肪吸引によって出てくるので、すっきりさを出すことができます。
「笑うとタコ焼きのようになるので、ほほ骨部位の脂肪を取りたい」というお話をいただくことがありますが、この部位の脂肪吸引はお薦めしません。
表情のない、のっぺらとした顔になってしまいます。
もし行うとすれば、脂肪吸引ではなくBNLS(脂肪溶解注射)のように少しずつボリュームを下げる方法が無難です。
①デザイン
術前に坐位で吸引する部位のマーキングと吸引管の刺入部位のマーキングを行います。
吸引管の刺入部位は、耳垂下、オトガイ下、場合によって耳垂とオトガイの中間部位となります。
②局所麻酔とチュームセント溶液の注入
手術は局所麻酔下にて手術室で行います。
希望によって軽い鎮静剤を使用します。
まず、吸引管の刺入部位に局所麻酔を施します。
次に脂肪吸引の際の出血予防と吸引を行いやすくするために局所麻酔薬など調整した溶液を脂肪層にまんべんなく注入していきます。
痛さはほとんど感じません。
③脂肪吸引の開始
吸引管の刺入部位を小切開し、吸引管を脂肪層に挿入します。
始めはゆっくりと吸引管を脂肪層で左右上下と進めていきます。
脂肪吸引のイメージは、深い層から浅い層へと丁寧に取り去っていく感じです。
お顔の脂肪吸引はなるべく細い吸引管で吸引するのが大事で、特殊な装置のついた脂肪吸引器が優れているのではなく、いかにイメージして丁寧に吸引していくかがポイントです。
私の場合は、3mm吸引管で吸引した後に、2mm吸引管という極細吸引管で仕上げていきます。
④縫合と圧迫
吸引管挿入部位の縫合を行います。
吸引した部位をガムテープのような医療テープを貼付します。
このことにより皮下出血斑が軽減されます。
さらにガーメントという圧迫サポーターを顔面に装着して圧迫します。
⑤手術後の流れ
手術後は日常の生活は問題ありませんが、頬部・頚部にはテーピングしてあるので、お顔の清潔に制限があります。吸引後はしばらく麻酔の影響で口唇の動きに制限が生じることがあります。
テーピングを外すのは手術後5日、吸引管刺入部位の抜糸は7日目になります。
手術後10-14日すると吸引部が硬くなってきます。当院では1回/1週間くらいの頻度で1-2ヶ月間、超音波によるマッサージと抗炎症剤のイオン導入によるケアをお薦めしています。
脂肪吸引による結果はすぐ得られるのではなく、腫れやリンパの流れが回復してから実感できます。手術後約6ヶ月かかりながら、ほっそりしていくことが多いでしょう。
⑥手術による注意点と治療費
手術後の口唇の一時的な動きの制限、内出血斑・血腫の可能性、吸引部位が一時的に硬くなる、左右差が生じるなどの可能性があります。
治療費 頬部脂肪吸引 220,000円、アゴ下脂肪吸引 220,000円。
⑦その他小顔に役立つ手術・施術
バッカルファット切除術という口の中から頬部の深い脂肪を取り出す手術、咬筋ボトックスという噛むとふくらむ下顎角部の筋肉を萎縮される施術、BARBIIリフトという溶ける糸で頬部を引き締める手術などがあります。
これらはまた機会を作って説明していきます。
24歳の方です。小顔希望で頬部とアゴ下の脂肪吸引を計画しました。
局所麻酔手術で手術時間は約90分でした。
手術後4ヶ月目の状態です。シュッとした小顔になりました。
術前と4ヶ月目を並べてみました。脂肪吸引のみでここまで効果を出すことができました。
よだ形成外科クリニック院長
依田 拓之 院長
心から信頼できる
美容外科医療を目指して。
・日本形成外科学会認定専門医
・日本美容外科学会(JSAPS)認定専門医