コラム
コラム - よだ形成外科クリニック【形成外科・美容外科・美容皮膚科 】
コラム
公開日:2021.3.11(木)
皮膚の悩みで最も多い相談は、「シミ」に関することです。
ある日、ふと鏡をみたときに、お顔に現れた「シミ」に気づいてしまうと、その後は鏡を見るたびに気になってしまいます。
テレビで流れているシミ対策化粧品などのコマーシャルにも、なんとなく目がいってしまうようになりますよね。
一口に「シミ」と言ってもその原因や色調などによって分類され、治療法も異なります。
経験から申し上げると、一般化粧品でシミがなくなることはほぼありません。
私たち医師は、さまざまな「シミ」を正確に診断して、その「シミ」に対する最適な治療法を提案し、改善へと導いていきます。
私達の皮膚は、上から「角質-表皮-真皮」で構成されています。
表皮は、一番下層の基底層から角質へと、上方へ分化して剥がれていきます。
私達の色素は、シミも含めてメラニンで出来ており、メラニンは表皮に存在するメラノサイトという細胞が作っています。
そのため、シミを含めた色素の異常は、表皮の問題となることが多いのです。
※表皮の問題だけではなく、真皮にも色素異常の問題が起こることもあります。
表皮の問題であるシミでよく見かけるものは
①日光性色素斑・老人性色素斑・脂漏性角化症などと呼ばれるもの
②炎症性色素沈着・炎症後色素沈着
③そばかす(雀卵斑)
④肝斑
今回は、①の日光性色素斑・老人性色素斑・脂漏性角化症の治療について説明しましょう。
原因:
日光性色素斑というように、主に日焼けや紫外線による皮膚老化で出現してくるシミです。
好発年齢、性別:
早いと30代でも出現しますが、中年期以降に加齢とともに出現することが多いシミです。男女ともに出現します。
シミの性状:
顔面、手背や上腕など日光に当たりやすい部位に出現しやすく、顔面でもさらに日光に当たりやすい頬骨部や車を運転される方は、窓側である右顔面に多く出現する傾向があります。
円形様で茶褐色のシミで孤立して出現すること多く、そばかすのような細かいシミからかなり大きいシミも存在します。
平らなシミが年々厚みを増してくるとブツブツした盛り上がりを増してくることもあり、このような形状のシミは、脂漏性角化症と呼ばれる状態になります。
主な治療法:
日光性色素斑・老人性色素斑・脂漏性角化症は、角質が厚くなってメラニン色素が沈着している状態なので、美白剤を塗るだけではあまり治療効果を感じません。
厚くなっている状態の改善とメラニン色素の沈着を解消させる治療が求められます。
日光性色素斑の部位を凝固させ、痂皮として剥がしていくQスイッチレーザーやシミの部位を削り取る炭酸ガスレーザーなどが、治療法として選択されます。
厚みを増した日光性色素斑や脂漏性角化症の場合は、まず電気メスを使用して平らなレベルに削り経過をみて、その後残存するシミに対して、Qスイッチレーザーなどで治療を追加することもあります。
Qスイッチレーザーには「Qスイッチルビーレーザー」「Qスイッチアレキサンドライトレーザー」「Qスイッチヤグレーザー」があります。
この3つのレーザーは、兄弟のようなレーザーで日光性色素斑にはどれも有効です。
この中でもメラニンに対するレーザーの感受性が高く、より薄いシミにも効果が高いのは、Qスイッチルビーレーザーですので、当院ではQスイッチルビーレーザーを使用しています。
Qスイッチルビーレーザーは刺激があるため、局所麻酔でレーザーの刺激を緩和します。
さらに局所麻酔を行うことにより、治療部位の毛細血管が収縮するため、微小血管の損傷が少なくなり、その効果でレーザー後の色素沈着が軽減されます。
レーザーの1スポットは、鉛筆の断面くらいの大きさです。
治療時間は数分です。
レーザー照射部位に、良好な痂皮(かさぶた)が作られるように、軟膏ガーゼで湿潤環境にします。
テープをつけたまま洗顔、洗髪していただき、その後テープを剥がして軟膏ガーゼテープ処置を行っていきます。
処置の方法は丁寧に看護師が指導いたします。
軟膏ガーゼテープ処置は約7日間行います。
レーザー照射7日目に受診していただき、院長がレーザー部位の痂皮を剥がします。
一皮むけたピンク色の肌が見えているでしょう。
お化粧もほぼ可能になり、軟膏ガーゼテープ処置は不要となります。
レーザーの治療部位は通常のお肌の状態に戻るまで、一時的にレーザー後の色素沈着を来すことがあります。
再発したように感じるかもしれません。
これは日焼けのような状態で、約3ヶ月で解消していくことがほとんどです。
当院では1回/月通院していただき、色素沈着の状態に応じて、ハイドロキノンやトレチノインなどの軟膏を処方し、使用方法を指導しています。
厚すぎるシミの場合は、1回のレーザー治療では完全に除去できないこともあります。
約1年経過をみて、2回目の治療を計画します。
また、レーザー治療で解消したシミの部位は、皮膚老化が進んでいる部位なので、数年するとやや再発してくることもあります。
ご興味がありましたら、レーザー治療のみならず他の治療やケアなどを検討していただき、継続的なアンチエイジング治療を行うことをおすすめします。
50代女性、左頬部の日光性色素斑の方です。
Qスイッチルビーレーザーは院長自ら治療します。
局所麻酔後Qスイッチルビーレーザーを照射します。
7日目痂皮ができています。院長が痂皮を取り除きます。
レーザー治療後1ヶ月目です。ややレーザー後の色素沈着を認めます。4%ハイドロキノンと0.025%トレチノイン軟膏を処方し使用方法を説明しました。
Qスイッチルビーレーザー照射後の3ヶ月目です。治療部位はほぼ色素沈着も抜けて経過良好です。
お肌へのダメージを出来る限り少なく、気になる「シミ」を少ない治療回数で、確実に・キレイに取るための治療Qスイッチルビーレーザーは、是非当院にご相談ください。
よだ形成外科クリニック院長
依田 拓之 院長
心から信頼できる
美容外科医療を目指して。
・日本形成外科学会認定専門医
・日本美容外科学会(JSAPS)認定専門医